野々市市にある寝具店［眠りにまっすぐ　乙丸屋］

大型テナントを寝具店にリノベーション。

「伝統と現代の融合」を空間で感じる店舗。
伝統…常連顧客、自然素材、眠りの追及、おもてなし、和の設え。　
現代…新規顧客、新素材、科学的な眠り、開かれた店、現代デザイン。
乙丸屋の理念を建築基盤に載せて表現する
デザインコンセプトとした。

乙丸屋　［乙丸寝具株式会社］

交通量の多い幹線道路沿いに建つ、元小売販売店の空き店舗。

周囲の環境が前へ前へと積極的な建物が多いが、乙丸屋は眠りを提案する店である為、

周囲と同調した店舗計画とは異なる考えで計画を進めた。
来店するお客様や通りを行きかう人々もふっと眺めて和む事ができるよう道路沿いに緑地帯を設け、ここを
「うたたね広場」と名づけ乙丸屋のランドマークとなり周囲の派手な広告と一線を画したアプローチである。
既存の電飾看板は撤去、箱看板は白ペイント、駐車場を縮小し緑地帯を設ける。これら全て第一に景観に配
慮をする事が、長く地域に貢献し共存してきた乙丸屋の理念とリンクさせたリノベーションである。
店内は、広いワンフロア、高い天井を活用する設計計画をした。
床材には無垢の栗板、天井には杉材の化粧梁、左官仕上げの壁、什器や家具も杉材をふんだんに使い、鉄骨
造の無機質な箱の中に寝室を感じられる空間を作った。
店舗入り口から格子越しに見える店内や、靴を脱ぎ入店した時に見える0 番カウンターの印象、乙丸屋の層
から直線的に見る外部のうたたね広場、ベットに横になった時に見上げる天井の意匠、商談スペースの開放
感とソフトな間仕切り、無垢杉材の棚に整然と並べられた商品、全てお客様の視線と導線を想定し寝具を検
討する大要素であるリラックスできる店舗をデザインした。
また、100 を越す商品を提案するスタッフのオペレーションの効率化も考慮した収納配置となっている。
既存顧客も新規顧客も老若男女問わずリラックスして愉しめる店を…。
移転により全て新しい事をするのではなく、伝統と現代を繋ぐ店舗リノベーションである。